ラペルの幅は、時代によって流行のスタイルがあったり、体型によって似合う幅が違うので、自分に合ったものを着こなしましょう。

ラペルの種類


ラぺルは、種類が豊富でそれぞれ与える印象も違います。

ラペルの種類を知っておくと、スーツの着こなしのヒントにもなるので覚えておきましょう。

ノッチドラペル


ノッチドラペル

ノッチドラペルは、ゴージラインがまっすぐで、【ノッチ(notch)=V字の切れ目】という意味の通り、カラーとラペルの切り込み部分がV字型になっているラペルです。

シングルスーツに使われている定番のデザインで、ラペルの中で最もオーソドックスな形です。

セミノッチドラペル


セミノッチドラペル
※出典
deffert

セミノッチドラペルは、ノッチドラペルよりも、ゴージラインの先の張り出した部分が、少し上向きになっている形をいいます。

ビジネススーツで使われることが多く、定番のノッチドラペルよりも少し個性が出るデザインです。

ビジネススーツは無難な着こなしになりやすいですが、目立ちすぎない程度におしゃれな着こなしをしたい人にオススメのラペルです。

ピークドラペル


ピークドラペル

ピークドラペルは、ラペルの先端が上に向かって尖った形をしています。

剣襟(けんえり)と呼ばれることもあり、ダブルスーツの多くはピークドラペルになっています。

また、タキシードなどのフォーマルスーツでも採用されていて、ドレッシーな印象が強いラペルです。

上向きに尖っているデザインから、体をスマートに見せる効果があります。

ビジネススーツでも、ピークドラペルになっているものがありますが、職場によっては目立ってしまうこともあるので注意しましょう。

セミピークドラペル


セミピークドラペル
※出典
Pitty Savile Row

セミピークドラペルは、ピークドラペルよりも先端の尖がりが控えめになっています。

ピークドラペルよりも、ドレッシーな印象が弱くなるので、フォーマルでもビジネスでも使いやすいラペルです。

ピークドラぺルでは、尖った形によって、カラーとラペルの切り込みがありませんが、セミピークドラペルは、切り込みが入ったデザインになっています。

フィッシュマウスラペル


セミピークドラペル
※出典
Pitty Savile Row

フィッシュマウスラペルは、ラペルの角度が水平に上がっていて、カラーの先端が丸くなっているものです。

切り込み部分が魚の口のように見えることから、フィッシュマウスラペルと呼ばれています。

ローリングダウンラペル


ローリングダウンラペル
※出典
avance

ローリングダウンラペルは、トラッドスーツで主流になっているラペルで、第一ボタンが隠れるように折り返しになっているラペルのことを言います。

段返りとも呼ばれ、第一ボタンを留めてしまうとシルエットが崩れてしまうので、留めずに着こなすのがルールになります。

クローバーリーフラペル


セミピークドラペル
※出典
Pitty Savile Row

クローバーリーフラペルは、カラーとラペルの角が丸くなっている特徴があります。

その形が、クローバーの葉のように見えることから、「クローバーリーフラペル」と名付けられました。

角が丸いことで優しい印象を与えるため、レディーススーツに使われることが多いラペルです。

ショールカラー


ショールカラー
※出典
B.R.ONLINE

ショールカラーは、カラーとラペルに分かれていない一枚襟になっています。

一枚で仕立てられているので、ゴージラインはありません。

首にショールをかけたような形をしていることから、ショールカラーと呼ばれています。

また、細長い曲線の形がヘチマに似ていることから、ヘチマ襟とも呼ばれます。

主には、タキシードに使われているデザインです。

ラペルの幅で印象を変える


ラペル
※出典
男前研究所

スーツスタイルや体型によって、似合うラぺルが違い、その印象はラペルの幅でも変わってきます。

ラペルには、主に「レギュラーラペル」「ナローラペル」「ワイドラペル」の3つの種類があり、幅の違いによって、流行や印象を使い分けています。

【レギュラーラペル】


レギュラーラぺルは、8~8.5cmのラペル幅で、ラペルの中で標準的な幅になります。

【ナローラペル】


ナロー(narrow)は細いという意味で、レギュラーラペルよりも細い、5~7.5cmのラぺル幅です。

【ワイドラペル】


レギュラーラペルよりも太いラペル幅は、ワイドラペルと言います。8.5〜10cm程度の幅になり、風でめくれないように、重さや固さをつける加工を施している場合があります。

ビジネススーツでは、レギュラーラペルが定番になっており、体が細い人はナローラペル、大柄な人はワイドラペルが似合うと言われています。

しかし、ラペルの幅はスーツスタイルや全体のバランス、人それぞれの印象によって似合うものが異なります。

また、ラペルの幅が細いほど、カジュアルな印象が強くなるので、ビジネスシーンに合わせて、ラペルの幅を考えるのも大きなポイントです。

ラペルの流行


ラペルは、その時代によって流行が変わります。

以前まではモード系の細身のスーツが流行していましたが、最近はクラシックスタイルのブリティッシュスーツがトレンドになってきています。

それに合わせて、細身のスーツに適していたナローラペルから、クラシック感の強いワイドラペルに流行が変わってきています。

ビジネスシーンでも堅実な雰囲気が出るので、トレンドを押さえながら印象を良くしたい方は、ワイドラペルをおすすめします。

こだわりのラペルで、スマートな着こなしを


ラペルは、いろいろな種類があり、幅によっても印象を変えられる大事なパーツです。

スーツスタイルやトレンドだけでなく、ラペルの幅、ネクタイの幅、シャツ襟のVゾーンのバランスも考えると、よりスマートな着こなしにドレスアップします。

同じような印象になってしまいがちなスーツ姿も、細かいところに自分なりのこだわりを示すことで、周りよりも一歩先をいく、大人なスタイルを確立することができます。

職場の環境やシーンに合わせて、格好良くスーツを着こなしましょう。

世界に一つしかないあなただけのスーツは、きっとこれまでのものとは違い大切な一着になるはずです。