【ドニゴールツイード】
※出典
Pitty Savile Row
【エジンバラツイード】
※出典
オガワテキスタイル
太い原毛を使用しているため、一般的なツイードよりも固くゴワつきのある生地が特徴的です。
ハリスツイードにしかない独特な風合いがあり、秋冬のスーツ生地として大変人気があります。
クラシックなヘリンボーン柄や、チェック柄など、柄や色も豊富に揃っているため、同じハリスツイードでも、個性がある着こなしができます。
ハリスツイードの起源
ハリスツイードを語るには、まず起源を知っておくことが大切です。
ハリスツイードがどのように誕生したのか、伝統と品質を保ち続けるために、どのような歴史を辿ってきたのかを見てみましょう。
ハリス島で生まれたハリスツイード
ハリス島は、スコットランドの北西にあります。
もともとハリスツイードが誕生する前から、ハリス島に住む人たちは、寒さや雨風をしのぐために、羊毛を使ってツイードを作っていました。
このツイードの品質と手織の技術に魅せられたのが、ハリス島の領主ダンモア夫人です。
改良を重ねて、イギリスで売り始めたところ、富裕層に人気となり広まっていったのが、ハリスツイードのはじまりといわれています。
ハリスツイード条例で守られている伝統と品質
ハリスツイードは、人気になるにつれて模造品が多く出回るようになったことから、ブランドを守るために対策がとられました。
まず、ハリスツイードの登録商標をして、ルイス島の街【ストーノウェイ】の会議で認めた紡績機械で作られていることや、【ハリスツイード協会】の検査に合格したものだけを本物として認めることにしました。
認定された生地には、オーブマークと呼ばれるロゴが証として付けられるようになります。
その後、ハリス島の人たちの生活の糧となっている、ハリスツイードの産業を守るために、1993年に議会制定法によって、【ハリスツイード条例】が定められます。
ハリスツイード条例では、染色や製織、仕上げなど、すべての工程をアウターヘブリディーズ諸島内で行ない、製織は島民の自宅で行われていることがハリスツイードの条件とされています。
また、手織りであることや、ピュアヴァージンウール100%を使用することも条件に含まれているので、高品質な生地が現在でも保証されているのです。
ハリスツイードの魅力
長い歴史のあるハリスツイードですが、なぜ現代まで人気が続いているのでしょうか。
歴史の流れと品質から、その魅力に迫ってみましょう。
100年経った今もブームに
ハリスツイードは、2011年に100周年を迎え、さまざまなお店でハリスツイードを使った商品が並んだことから、再注目されるようになりました。
また、昨今では、スーツのトレンドがクラシック回帰になっている後押しもあり、さらにスーツ生地としての人気を高めています。
クラシックでありながら、トレンドを押さえた着こなしができる点が、ハリスツイードの人気を100年以上継続させている理由かもしれません。
ハリスツイードならではの丈夫さ
ハリスツイードに使われている羊毛は、油を抜く作業をしていないため、水をはじく弱撥水性(じゃくはっすいせい)のある生地に仕上がっています。
耐久性や防寒性も高いので、他のツイードよりも丈夫なのがひとつの魅力です。
ハリスツイードは10〜20年は着られるほど、傷みに強い生地なので、愛着を持って、長く着続けることができるスーツが欲しい人にはピッタリでしょう。
しっかりとメンテナンスをすることで長持ちしますし、年月によって変化していく風合いも楽しめます。
クラシカルな大人の雰囲気が出せる
※出典
SUIT SELECT BLOG
ハリスツイードのスーツは、手織の風合いと、厚みのある質感によって、クラシカルな大人の雰囲気を醸し出してくれます。
歴史のある生地ならではの重厚感が、男らしく包容力のあるイメージを与えてくれるでしょう。
色柄も豊富に揃っているので、シックからカジュアルまで、雰囲気を変えることができます。
シーンに合わせて、着こなしに変化がつけられるのも、ハリスツイードの魅力の一つです。
【ヴィンテージハリスツイード】を楽しむ
ハリスツイードのスーツを着るなら、【ヴィンテージハリスツイード】を使ったスーツもオススメです。
ヴィンテージハリスツイードの楽しみ方を紹介します。
ヴィンテージならではの味のある風合い
ハリスツイードは、長い年月の間でその風合いにも変化が起こり、年月とともに生地の油が抜けていき、パサつきのある質感になります。
この質感が、ヴィンテージハリスツイードの味として人気になっています。
新しいハリスツイードを長く使い続けて、経年劣化を楽しむこともできますが、ヴィンテージハリスツイードなら、すぐにその風合いを肌で感じられるのが魅力です。
ヴィンテージハリスツイードの生地の違い
現在では、反物幅が150cm程度で織られていることの多いハリスツイードですが、20年以上前は90cm幅しか織れる機械はありません。そのため、昔は75cm程度の短い幅で織られていました。
また、今のハリスツイードは、軽く、着心地の良いものになっていますが、昔のハリスツイードは、生地が分厚くしっかりとした質感が特徴的です。
このように、現在のハリスツイードにはない本来のハリスツイードを楽しみたい方は、ヴィンテージハリスツイードがおすすめです。
ハリスツイードの魅力を活かそう
ハリスツイードは、伝統的な製法や品質の高さを守りながら、100年以上愛され続けている唯一無二の生地です。
大自然の中、島の人々の手によって作られていることや、数十年前の生地を着続けられることに、ほかには変えがたい贅沢さを感じることができます。
味わい深く個性的なハリスツイードでスーツを仕立てれば、この先何十年も楽しめる一着になるに違いありません。
ハリスツイードの魅力を活かして、おしゃれを楽しんでみてはいかがでしょうか。