クロスタイとは




『クロスタイ』は略礼服に用いる蝶ネクタイを略したもので、首元でクロスさせて付けるのが一般的です。

クロスさせた後にスティックピンで固定します。

クロスタイの端は斜めにカットされていることが多いです。略礼装用なのでビジネスシーンには向きません。

セミフォーマルやパーティーでカジュアルなスタイルのコーディネートをしたい時に便利です。

柄・スティックピンの位置・クロスのさせ方など、バリエーションが豊富なのでコーディネートに合わせてアレンジできます。

『スティックピン』とはネクタイピンの一種で、アスコットタイやクロスタイに用いる針状のピンです。



針先が体に刺さることを防ぐために、金具が付いています。

頭の部分には宝石や装飾が施され、さまざまな種類が展開されています。

スティックピンによっておしゃれな印象を演出できるため、クロスタイは女性からも人気が高いです。

クロスタイの与える印象


クロスタイはリボンの部分がないため、蝶ネクタイよりも首元をスッキリ見せることができます。

そのため細身の人やシルエットが細いスーツと相性が良いです。

クロスタイはさまざまな太さがあります。

レギュラータイやナロータイのように明確な太さが決まっているわけではなく、クロスタイを販売している企業によって異なります。

細いクロスタイはシャープな印象を与え、一般的なクロスタイよりもカジュアルです。

太めになるとインパクトがあり、コーディネートのワンポイントと成り得ます。

クロスタイに使用している素材によっても、印象が変わります。

暖かい雰囲気のある『ウール』は秋冬のコーディネートにぴったりです。

『リネン』は涼し気な印象があり、カジュアルスタイルに用いることができます。

季節に合わせたコーディネートをしたい時に活躍します。

クロスタイはパーティーで使用するので、カジュアルながらもフォーマルな印象を与えるために『シルク』を素材に採用している商品が多いです。

シルクは発色が良く光沢感があり、ウールやリネンよりもキッチリした雰囲気になります。

定番のクロスタイは『無地』で、ブラック・グレー・ネイビーなどの落ち着いたカラーです。

デザインによっては結婚式などフォーマルな場でも使用できます。

カジュアルな印象が薄いので、パーティ会場や飲食店のスタッフが身に付けていることもあります。

レット・ブルー・イエローなどカラフルなカラーはカジュアルな印象です。

他の人の目を自分の顔に向ける効果があり、ポケットチーフとの組み合わせによっておしゃれなコーディネートにできます。

『柄物』ではドット柄やチェック柄などシンプルなデザインが多く見られます。

柄物は非常にカジュアルな印象を与えるので、着用する時は注意が必要です。

可愛らしい印象を生かして子供が着用することも多いと言えるでしょう。

クロスタイの種類その1:ピンの位置・種類


まず、クロスタイは最も鋭利な斜め端の向きによって「基本」と「逆さ」に分けることができます。

【基本】
基本のクロスタイ
※出典
Pinterest

基本となる付け方は鋭利な斜め端が外側を向いています。

【逆さ】
逆さのクロスタイ
※出典
Pinterest

逆さの付け方は鋭利な斜め端が下を向いているので、落ち着いた印象です。

『基本ピン留め/逆さピン留め』は最も一般的なクロスタイで、十字型にクロスさせてスティックピンを中央に付けます。

『逆さクリップ留め』はピンを使わずにクリップで留める方法です。

ピンよりもシンプルに仕上げることができます。落ち着いた印象を演出するために用いる方法なので、基本的には斜め端を下向きにしてクロスさせます。

『基本リング留め/逆さリング留め』はピンではなく専用のリングでタイを結ぶ付け方です。

首元でクロスした部分をリングに通すだけなので、比較的簡単に付けることができます。

『平底ピン留め』はクロスタイの端を揃えて、通常よりもピンを下の方へ付けます。首元とクロスタイの間に少し余裕が生まれることが特徴です。

『ブローチ留め』はアクセサリーとして使用するブローチでクロスタイを留めます。

ピンよりも大きなブローチはアクセントのあるコーディネートとなるでしょう。

おしゃれな印象があるため、女性の利用率が高くなっています。

シンプルなブローチであれば男性でも活用できます。

クロスタイの種類その2:クロスのさせ方


『タイ解き』には鋭利な斜め端が外側を向いている「外向き形状」と、内側を向いている「内向き形状」があります。
クロスさせずに、あえて解いたまま付ける方法です。

【外向き】
外向きのクロスタイ
※出典
Pinterest

【外向き】
内向きのクロスタイ
※出典
Pinterest

『三角ピン留め』は短いタイ、またはベルトを調節して短くしたタイで作ることができます。

クロスタイの端だけを襟から出してピンで留めると、三角形のような形になることが特徴です。

『半交差ピン留め』はV字型のようにクロスさせるので、十字型にクロスさせる基本ピン留めよりもスッキリした印象を与えます。

『止め結び&クリップ留め』はタイを首元で結んでから、クリップで留めます。

結ぶことで少し立体感が生まれる所がポイントです。

立体的なのでピンでは外れる可能性があり、クリップを使用した方が良いでしょう。

『片長ピン留め』は基本ピン留めのように左右均等にクロスさせるのではなく、左右どちらか一方だけを長めにします。

アシンメトリーでおしゃれなコーディネートに仕上がります。

『斜線ピン留め』は両端を同じ方向へ流す付け方です。

個性的なコーディネートにしたい場合に向いています。

『影型ピン留め』は首元でタイを結んで片方の端を襟に隠し、ピンで留めます。

他の付け方とは全く違う特殊な形です。

一般的なクロスタイの付け方


クロスタイを付ける時、「クロス」「結ぶ」「ピン留め」という手法が用いられます。

『クロス』はタイを交差させることで、その他に特別な作業はありません。

『結ぶ』はタイをクロスさせた後に左右どちらか一方の端を、クロスさせた時にできるループへ通して固結びすることを指します。

シワができてしまうので、しっかりと結び過ぎないように注意してください。

『ピン留め』はクロスさせて重なっている部分をスティックピンで留めることです。
ピン止めクロスタイ
※出典
Pinterest

結ぶ時に解けそうでも最終的にはピンで留めることになるので、余程のことがない限り外れることはないでしょう。

基本ピン留めの付け方がクロスタイの基本となります。

短い帯状のタイを肩に掛け、左右の長さを均等にします。

この時、左右の長さが違っていると不格好になってしまうので均等に揃えることは重要なポイントです。

左右の長さを揃えたらタイを首元でクロスさせて、重なっている部分の中央をピン留めします。

スティックピンの場合は針先の金具を取り外してクロスタイに刺し、クロスタイの裏に出ている針先へ再び金具を取り付ければ完成です。ピン留めの後に左右の長さが均等か確かめると良いでしょう。

バリエーション豊富なクロスタイのテクニック/まとめ


クロスタイはシンプルながらもバリエーション豊富なコーディネートが楽しめるので、非常に人気が高いです。

特殊な付け方もありますが、基本的には簡単な作業で済みます。

カジュアルスタイルのワンポイントとなるので、是非活用してください。