とはいえ、指示に従わずにいい加減な取り扱いをするとすぐ着られなくなってしまうため、で詳しくご紹介していきます。
ウォッシャブルスーツとは
ウォッシャブルスーツは、洗って色落ちや型崩れがないだけでなく、しわになりにくい素材や加工を施しているほか、縫い目もほつれにくくなっており、風合いやシルエットがそのまま維持できます。
材質はウールとポリエステル等の化繊の混紡が多く、着心地の良さとしわになりにくく、丈夫な特性を両立させています。
また、化繊が入っていることでウール%のスーツよりも乾きが早くなっており、アイロンがけをしなくても綺麗に乾かすことができます。
価格も加工されているとはいえ化繊が配合されており、セットアップで2~3万円台から購入できるようになっています。
とはいえ、どんな洗い方をしてもよいというわけではありません。
洗濯機で洗い方を選ぶときには、できるだけデリケートな洗い方をするようにしましょう。
普通に洗濯してしまうと、いくらウォッシャブルスーツでも縮んだりしわになったりして、着用できなくなります。
基本的な洗い方を覚えておくと便利
ウォッシャブルスーツを洗濯するときには、洗濯表示をきちんと確認しておきましょう。
そのうえで基本的な洗い方のポイントがいくつかあります。
まず、ジャケットのポケットに入っているものは必ず取り除きましょう。
ボールペンや印鑑などは色移りする恐れがありますし、名刺類は溶けて取れにくくなってしまいます。
また、洗濯ネットに入れて洗うことで余分な摩擦を防ぐことができ、風合いを残せます。
ジャケットとスラックスは同じタイミングで洗い、劣化の度合いに差がつかないようにします。
洗う手順としては、まずスーツをたたんでネットに入れます。
手洗いのときには常温の水につけて軽く押し洗いをし、10分程度つけ置きします。
弱脱水で軽くすすいだのち、柔軟剤を入れた水でもう一度押し洗いをします。
すすぎと弱脱水を行って完成です。
洗濯機で洗う時はネットに入れたスーツ洗濯槽に入れ、おしゃれ着洗いやドライを選びます。
いずれもおしゃれ着専用の洗剤を使い、しわを防ぐためにお湯での洗濯は避けましょう。
シミなどの汚れがあるときは、洗剤の原液をその部分に直接塗布してしばらく置き、すすぎます。
干す手間を惜しむと型崩れの原因に
洗い終わったスーツは、生地にできるだけ負担をかけないように乾かす必要があります。
軽く脱水をかけたスーツは手の平でたたいてしわを伸ばし、肩幅に合った丈夫なハンガーにスーツをかけます。
紫外線で変色する恐れがありますので、基本的には風通しの良い場所で陰干しをします。
風が強いときには干している途中でずれてしまう恐れがありますので、滑り止めの付いているハンガーがあると便利です。
なお、急いで乾かしたい時であっても乾燥機で完全に乾かしてはいけません。
ウォッシャブルスーツはウールが含まれていますので、高温で縮んで元に戻らなくなります。
短時間乾燥するのは細かいしわがとれてお勧めですが、基本は陰干しで乾かしましょう。
また、手でたたいただけでしわを取りきれなかったときには、アイロンをかけることもできます。
中温、またはウール用の温度設定にして、ハンカチなどの当て布の上から優しくプレスしていきます。
ウォッシャブルスーツはノーアイロンでもある程度綺麗な状態を保てますが、時にはアイロンでラインを際立たせると、より新品に近い状態になります。
シャワーだけで洗える?ウォッシャブルスーツの進化形
※出典
日経トレンディネット
ウォッシャブルスーツは手洗いや洗濯機で洗えるスーツですが、これとは別にシャワースーツというものも出回っています。
ウォッシャブルスーツがウールと化繊の混紡であるのに対し、シャワースーツにはウール100%のものもありますので、より高級感のあるスーツを着たい時などに便利です。
ただ、洗濯方法としてはシャワースーツで洗濯機やアイロンの利用も可能なため、それほど大きな違いはありません。
軽い汚れ程度ならばシャワーをスーツにかけるだけで洗い流せるため、非常に便利です。
ウール素材でありながら洗える理由は、生地に撥水加工を施しており、汚れがしみ込みにくいからです。
表面に付着した汚れを40℃程度のシャワーで洗い流すだけなので、入浴のついでに気軽に洗えます。
汚れの酷いところは浴用石けんを擦り込み、シャワーで流すとよいでしょう。
日頃外回りなどをすることが多く、日常的に汗やほこりがスーツに付着しやすい方などにお勧めです。
ただし、乾燥機や脱水を利用せずに陰干しをするため、完全に乾くまでにはウォッシャブルスーツよりも若干時間がかかります。
便利な洗えるスーツ、フォーマルでも使える?
ウォッシャブルスーツは使い勝手の良さから、頻繁に着用するビジネススーツを中心に様々な色柄のものが展開されています。
一方、フォーマル向けのスーツで探してみると、やはりモーニングやディレクターズスーツのようなきちんとした礼装では自宅で洗えるものはないに等しい状態です。
正礼装や準礼装は生地の素材まで配慮されていることが多く、着用する回数も少ないため、クリーニングに出すことをいとわない人が多いことも影響しています。
ただ、ビジネスシーンからフォーマルシーンまで幅広く使うことができるダークスーツ、ブラックスーツはウォッシャブルタイプが出回っていますので、クリーニングが面倒、ケアの費用が高すぎると感じている人は一枚用意しておくとよいでしょう。
ディレクターズスーツとして着用するときも、スラックスだけクリーニングに出してジャケットは自宅で洗うことができ、手入れが以前よりもはるかに楽になります。
ただし、フォーマルとして利用するときには質感がウール等に近いものを選ばなければ、安っぽい印象やカジュアルな印象を与えてしまいかねません。
上手に活用すればとても便利
このように、ウォッシャブルスーツはお手入れが簡単で、すぐに洗わなければならないような汚れが付いたときでもクリーニング店に持ち込む必要がないため便利です。
取り扱いには十分注意して、風合いを損なわないように手入れをしましょう。