SCABAL/スキャバル
スキャバルは、最高級のスーツを提供する服地マーチャント(商社)です。
伝統を守りながら、革新的な生地を提供し続け、世界でもトップクラスに君臨するスーツブランドとしても多くの支持を集めています。
スキャバルとは
スキャバル(Scabal)は、1938年にオットー・ハーツによって設立された、スーツ服地を扱うマーチャント(商社)です。
服地メーカーから、スーツブランドとしての地位を確立するまで、どのような歴史を辿っているのかを解説します。
スキャバルの歴史
現在、スキャバルは、創立者であるオットー・ハーツから厚い信頼を受けていたピーター・ティッセンが会長を務め、息子であるグレゴー・ティッセンが3代目を担っています。
創業当時と変わらず、ベルギーのブリュッセルに本社を置き、最高品質の生地を数多く提供しています。
ベルギーは、ヨーロッパの中間地点にあるため、上質な生地を調達するのに最適な場所なのです。
マーチャントが、織物工場を持つことは珍しいですが、スキャバルは、伝統のあるイギリスのハダースフィールドに工場を持ち、生地の大半はこの工場で織られています。
1970年以降には、ヨーロッパの各地に事業を広げ、その後も世界中に事業を拡大していきました。
スキャバルは、【Société Commerciale Anglo Belgo Allemande Luxembourgeoise(イギリス・ベルギー・ドイツ・ルクセンブルクの商社)】の頭文字から社名がつけられていて、創立当初から世界にアピールする会社になることを目指していたことがわかります。
高級ファッションブランドとしても有名
スキャバルは、高級ファッションブランドとしてもその名が知られています。
1972年にイギリス紳士服の聖地でもあるサビルロウに拠点を移し、伝統を大事にしながら、革新的なスーツを提供してきました。
アメリカ大統領や、一流スポーツ選手からも愛用されているスキャバルですが、特に映画との関わりは深く、多くの映画で目にすることができます。
映画「ゴッドファーザー」では、主演のマーロン・ブランドがスキャバルのスーツを着ていますし、「カジノ」ではロバート・デ・ニーロが、「タイタニック」や「ウルフ・オブ・ウォールストリート」では、レオナルド・ディカプリオがスキャバルのスーツを着ています。
世界で初めてバンチシステムを導入
スキャバルは、本社の生地倉庫に5000種もの生地を揃え、最高品質の生地を常にキープするために、熟練したスタッフによって、生地の品質管理が行われています。
オーダースーツを作る時には、生地を選びやすいように、切り揃えた生地が束ねてある【バンチブック】がありますが、このバンチシステムを、世界で初めて導入したのがスキャバルだといわれています。
バンチブックがあることで、膨大な生地の中から、最適な生地が選びやすくなり、テーラーが在庫を抱えることも防げるようになりました。
天才芸術家の絵画から生まれた生地コレクション
1971年に、天才芸術家として知られる【サルバトール・ダリ】が、スキャバルのために12枚の絵画を創作しています。
その絵画は、今でもスキャバル本社に飾られています。
2004年には、その12枚の絵画をモチーフにした生地コレクション【Tribute to Dali】が発表されました。
常にクリエイティブな発想で革新的な挑戦をする、スキャバルならではの生地コレクションといえるでしょう。
上質なテキスタル(生地)の魅力
スキャバルの生地は、高級感があり、柔らかい肌触りが特徴です。
ここでは、その生地の魅力について見ていきましょう。
スーパーファインウールへのこだわり
スキャバルは、オーストラリアの伝統的な家族経営農場と契約していて、上質な原毛から作られる【スーパーファインウール】を生地に使用しています。
スーパーファインウールとは、繊維が直径19.5ミクロン以下の高級羊毛のことを指していて、柔らかく、高級感のある光沢が特徴的です。
スーツ生地を見ると、Super〇〇’sといった表示がされていることがありますが、これは繊維の太さを表しています。
Super100’sの場合、繊維の太さは18.5ミクロンになり、数値が高いほど繊維は細くなっていきます。
スキャバルは、1970年代に、世界で初めてSuper100’sを使った生地を作り上げ、その後も120’s、150’s、180’s、200’sと次々に新しい挑戦を続ける功績を残しています。
羊毛の繊維は、細いほど軽く、柔らかくなるため、最高品質の高級生地が揃っていることが、スキャバルの大きな魅力になっています。
豊富なデザインが揃う生地コレクション
スキャバルは素材だけでなく、豊富なデザインにも定評のあるブランドです。
ここでは、代表的な生地コレクションをご紹介します。
【ダイヤモンドチップ(Diamond Chip)】
ダイヤモンドチップは、スキャバルを代表する最高級の生地コレクションです。
世界で初めて粉末状のダイヤモンドを、ピュアシルクとsuper’150ウールに織り交ぜた手法で作られ、独特の光沢と柔らかな風合いが表現されています。
【イマージュ(IMAGE)】
イマージュは、なめらかな質感と、美しいドレープが特徴的な生地コレクションです。
スキャバルの特徴でもある【プルーネラ織り】で作られていて、耐久性の高い生地になっています。
出張や旅行の多い、アクティブなビジネスマンにおすすめです。
※出典
オーダースーツのメンズギャラリー福田日記
【クラシックス(CLASSICS)】
クラシックスは、スキャバルの定番となっている秋冬生地コレクションです。
名前の通り、英国クラシックのスタイルが特徴的で、耐久性のあるピュアウールを使用しています。
ヘリンボーンや、ストライプ、チェックなどの柄や、カラーも豊富に揃っています。
※出典
ツサカテーラー
【シルバーストン(SILVERSTONE)】
240gの軽量なピュアウールで作られたシルバーストーンは、イギリスのシルバーストーン・サーキットからネーミングされています。
英国の伝統的なモータースポーツをイメージさせ、スポーティでエレガントな印象を受けるデザインが豊富に揃っています。
優雅にして快適なオーダースーツを楽しむ
スキャバルの生地で仕立てたスーツは、ツヤのある上品な質感と軽さ、着心地の良さを感じることができます。
ビジネスシーンでは、着ているスーツによって第一印象が変わってしまうため、質の良いスーツを着こなすことが大切です。
スキャバルならば、快適で大人の魅力も兼ねたオーダースーツを作ることが可能です。
デザイン性のあるたくさんの生地から、あなたの好みに合ったものを選び、袖のボタンやラペルの幅などのディテールにもこだわって仕立てるのも楽しいでしょう。
理想の一着を仕立てるにあたり、スキャバルは最も信頼性の高いブランドだといえます。
華やかなシーンでも映えるスキャバル
スキャバルは、伝統を大切にしながら革新的な試みを続け、世界的な人気を誇るブランドの地位を確立しています。
最高品質の生地コレクションが数多く揃っているので、ビジネスシーンだけではなく、華やかな会場でも、あなたの魅力を最大限に引き出してくれるはずです。
周囲と差をつけたい、ワンランク上のスーツで大人の余裕を演出したい、という方にはぴったりのブランドだといえます。
スキャバルの上質な着心地と美しさは、着ることで高い充足感へと変わります。
是非、実際にあなたの「目」で「肌」で感じてみてください。