今回の依頼人は、奈良さん、26歳。IT企業に勤める社会人だ。
そんな奈良さん、学生時代の友人が結婚式を挙げるため、それに出席するためのスーツが欲しいそう。
結婚式に出席すること自体が初めての経験。
ネットなどでいろいろ調べたけれど、出てくる情報は膨大で、何をどうすればいいのか悩んでいるのだとか。
また、せっかくスーツを新調するのであれば、プライベートだけでなく、もちろんビジネスにも使えるものにできればと思い、今回、思い切ってオーダースーツの門を叩いた。
訪れたのは、東京・代々木にある「Sato Tailor(サトウテーラー)代々木店」。
JR代々木駅から代々木駅交差点を西に5分ほど歩いた通り沿いにあるオーダースーツ専門店だ。
同店は2016年6月にオープンした比較的新しい店だが、販売店の本店は福島にある。
福島にある本社工場は、なんと明治期に創業した100年以上続く老舗。
伝統的なテーラーとして紳士服を作り続け、やがてスーツ専業ファクトリーとして業務転換。
次第に高い品質が認められ、多くの高級メゾン、有名セレクトショップのOEM生産を手掛けることになる。
同店はそのファクトリーショップという位置付けだ。
工場直営だけに技術面は申し分ないうえ、仕上がりまでのスピード感や求めやすい価格帯が、オーダースーツ初心者が入門するには最適ともいえる。
店内に入ると、店長の森本さんが迎えてくれた。
早速、奈良さんが「欲しいスーツ」についてヒアリングを始める。
奈良「生地の柄が大きいのはダメだったり、色が派手なのはダメだったり、いろいろ調べていたら、逆によく分からなくなってしまって…。」
森本「生地の素材がシルクなどはNGとされていますが、基本的には新郎より派手にならなければ問題ありません。とはいえ、友人の祝いの席ですし、あまり形式を気にし過ぎない方がいいと思いますよ。」
同店は、スーツは50,000～円、ジャケットのみで35,000～円、パンツのみで15,000～円という価格帯。
ベスト15,000～円、コート50,000～円もオーダーで取り扱っている。
森本「当店は直営工場のお店ですので、安い価格で提供できるんです。」
もちろん、価格は選ぶ生地などによって変わってくるが、一般的にあることが多いオプションによるアップチャージなどはない。
つまりは、本切羽、水牛釦、AMFステッチなどの高級仕様が、プライスを気にせず自由に選ぶことが出来る。
森本「プライベートでもビジネスでも、というと生地選びが重要です。オススメがありますので、まずはそれを見ていただいてもいいですか?」
奈良さんが求める、プライベートでもビジネスでも使える一着とは、どのようなものになるのか。
次回はそのオーダー方法に迫る!
