目立たなくても……とっても重要なスーツのボタン




普段は特に気を配ることの少ないボタンですが、「留め具」として衣服に必要不可欠なだけではなく、「装飾具」としての側面も持っています。

古くはヨーロッパの王族が、権威を示すために用いられていたともされており、オーダースーツを仕立てる上で、見逃すことのできない重要な要素の一つでもあります。

ボタンにはこんなに種類がある!




しかし、ボタンと一口に言っても、水牛、練りボタン、ナット、貝……
この他にも種類があり、迷ってしまいますよね。

ここからは、ボタンの各種類についてのご紹介をしていきます。

【水牛ボタン】
数あるボタンの中でも高級な部類に入り、格式高いものとして名高いのがこちらの水牛ボタンです。
その名の通り、水牛の角を原材料としており、ラグジュアリーな光沢を放ちます。
水牛ボタンの中にも、ツヤを出すものとツヤを消すものの二種類があり、ビジネスなどで着用される目的のものには、スーツ全体に落ち着きを持たせられるツヤ消しのものが好まれる傾向にあります。

【練りボタン】
水牛ボタンの代用品として、用いられることの多いボタンです。
摩擦にも強く、コスト的にも安いために、多くのスーツで使用されている人気のボタンです。

【ナットボタン】
ヤシの実から作られたボタンです。
ツヤが抑えられており、使い込むごとに増していく風合いが、長く着ていくことになるオーダースーツとの親和性が高く、こちらも人気を博しています。

【貝ボタン】
貝を原料とするボタンで、ボタンごとに表面に凹凸があります。
上品なボタンの代名詞でもあり、高価なボタンです。

【レザーボタン】
ボタンを皮で包んだものです。
カジュアルなこともあり、ビジネスというよりも、もう少しラフな場面で着ることが想定されるスーツに使ってみたいボタンです。

シチュエーションによって使い分けるのがミソ




さて、ここまで全部で5種類の、特徴的なボタンをご紹介しました。

これだけでも数多くの種類のボタンがありますが、何よりも重要なのはシチュエーション、スーツの目的に合わせてボタンを選ぶことです。

★ビジネスシーンで使うボタン
まずは、ビジネスの場で使うスーツをオーダーする場合を想定してみましょう。

水牛ボタン
一番人気は何と言っても、「水牛ボタン」。
先ほどもご説明したように、水牛ボタンにはツヤを出すものと、ツヤを消すものの2つがあります。

「高級感」を前面に押し出してみたいスーツの場合は、ツヤを出すもの。
「落ち着き」を演出したいのであれば、ツヤ消しを選ぶと統一感を出すことができます。

貝ボタン
最近人気が上昇しているのが、「貝ボタン」。
夏に着用するような薄手のものをオーダーするのであれば、上品な輝きを持ちながらも、さわやかな印象を振りまくことのできる貝ボタンがオススメです。

ビジネスで着用するスーツの場合は、スーツの色と同系統かつ、濃いめの色を持ったボタンをチョイスすると、落ち着いた雰囲気を出すことができます。

他にも、ちょっとひねってオシャレな感じを演出したいスーツの場合は、スーツの色とは別系統の明るめの色を持ったものを選ぶのがオススメです。

コントラストを意識しメリハリをつけることでスタイリッシュな見た目を作り上げることができるので、意識しておきましょう。

★ビジネスシーン以外を意識したスーツのボタン
次にカジュアルなシーンをメインに想定した場合です。

ナットボタン
ナットボタンは、軽やかで親しみやすいイメージを演出することができ、カジュアルなスーツにぴったりです。

レザーボタン
レザーボタンは、ナットボタンと違ったワイルドなイメージを与えることができるボタンですので、ツイード素材のジャケットをオーダーする場合などに特にオススメです。

ボタンの決め手はシチュエーションで!




今回は、オーダースーツでのボタン選びについてご説明してきました。

一口にボタンといってもその種類は様々。ど
れを選べばいいのか迷ってしまいますが、決め手はスーツのシチュエーション次第です。

まずは「どんな場面で着用するのか?」というグランドデザインを決めたのちに、自分の好みと予算ともご相談し、ぴったりのボタンを選択しましょう!