1.英スーツと伊スーツ!スタイルで異なるパンツの裾




スーツの発祥の地はイギリスであると言われています。
イギリスから周囲の国に伝わり、さまざまなスタイルに変化していったと考えられているのです。

その中でも現代社会で主流になっているのは、イギリスとイタリアのスーツです。
両者のスタイルにはいろいろな違いがあります。

たとえばイギリスのスーツは肩パッドが厚く、イタリアのスーツは肩パッドが薄いです。他にもVゾーンの面積やボタンなど、多くの違いがあります。

しかしそう言われても、やはり区別がつきにくいという人も多いのではないでしょうか。

実はスーツのスタイルには、誰にでも分かるポイントがあります。それはスーツのパンツの裾です。
イギリスのスタイルは裾がシングルになっています。一方でイタリアのスタイルは裾がダブルになっているのです。

国によってはどちらかのスタイルがスタンダードになっていることがあります。
しかし日本はそうではありません。
イタリアの影響が大きいと言われていますが、両国のスタイルが混在している状態なのです。

2.スリムスーツをシャープに決めるならシングル




着ているスーツによって人の印象は大きく変わります。
シャープな印象を与えたい場合は、スリムスーツを着るのが一般的です。

勘違いをしている人も多いのですが、スリムスーツは痩せている人に合わせて作られた細いスーツのことではありません。
肩幅やウエストを調整して体にフィットするようにデザインされたスーツのことです。
ジャケットの袖や着丈が短めで、ラペルも細めのものが多いです。日本では、スリムスーツは若者を中心に人気があります。

スリムスーツにとって重要なのは、パンツの裾がシングルであること。
シングルのパンツは足が長く見えやすく、ダブルより足元がすっきりします。
全身のシルエットをシャープにしたい場合は、パンツの裾はシングルを選ぶようにしましょう。

ただし、シングルなら何でも良いというわけではありません。
裾野が長すぎると締まりがないように見えますし、短すぎると滑稽に見えてしまいます。裾の幅も重要です。シングルでも裾の幅が大きいものは、シャープに見えないことがあります。

オーダーする際は、そういった点にも注意した方が良いでしょう。

3.ビジネススーツにはダブルをチョイス!重厚感ある着こなしを


ビジネスシーンでスーツを着用している若者の足元を見ると、シングルであることが多いです。
スタイリッシュなビジネスマンに憧れを抱く若者が多いからでしょう。

しかし逆に言うと、シングルは若者のイメージがあり、地位の高いビジネスマンが着用しているイメージは薄いのではないでしょうか。

ダブルはシングルに比べてシルエットが太めです。
ゆったりとしたデザインのジャケットに合わせることで、重厚感のある着こなしが可能です。
上手く重厚感を出せれば、自信や余裕を演出できるので、ビジネスシーンでは有利に働くことが多いでしょう。

またビジネスマンのファッションにとって、靴も重要なポイントです。

立派なビジネスマンだと認識されたくて、重厚感のある靴を履いている人もいるでしょう。
しかしシングルのパンツだと、靴だけが異様に目立って不自然になることがあります。

一方でダブルの場合は、折り返しの存在感があるので、そのような可能性は少ないです。
重厚感のある靴を履いてビジネスに赴く場合は、ダブルを選択するのがおすすめです。

4.冠婚葬祭シーンにはNG?!ダブルを選ぶときの注意点とは


スーツはビジネスシーンだけでなく、冠婚葬祭シーンでも着用します。

冠婚葬祭シーンでスーツを着るときは、パンツの裾に注意しなければなりません。
冠婚葬祭シーンでは、スーツのパンツはシングルのものを着用するのが常識とされているからです。

ダブルという言葉には、「繰り返し」の意味があります。
そのため葬式などで着用するのは失礼にあたると考えられているのです。

またダブルのパンツはカジュアルに見えやすいことも理由の一つです。
フォーマルな場には相応しくないと見なされることが多いです。

加えて、スーツのパンツをオーダーする際にダブルを選ぶなら、気を付けた方が良いことがあります。

それは冠婚葬祭シーンのことを考えて、シングルのパンツも用意しておくということです。
もし持っていないなら一緒にオーダーすると手間が省けるでしょう。

またカジュアルすぎると、冠婚葬祭シーン以外の厳粛な場にも相応しくなくなってしまいます。
折り返しの幅が広すぎるとカジュアルさが増してしまうので、オーダー時に適切に調整してもらいましょう。

5.シングルとダブルを上手く使い分けよう!




何気なく履いていたスーツのパンツに、今回紹介したような事実や注意点があることを知って驚いた人もいるでしょう。

シングルとダブルを使い分けることはマナーとして大切です。

ビジネスシーンなどで良い効果が得られることもあるので、適切に使い分けましょう。