1.タイピンて何?
一般的にタイピンといえば、細長い棒状で裏面にクリップが取り付けられているものをイメージするのではないでしょうか?
実は、一口にタイピンと言っても形状や素材は様々で、タイクリップと呼ばれるクリップ式のものを始め、タイ・バーと呼ばれる針で刺し金具で留めるもの、タイ・タックと呼ばれるピンバッジのような形状のものなど、「ネクタイが乱れないようにシャツに固定するもの」を総称してタイピンと呼びます。
2.タイピンの歴史
スーツに施されるアクセサリーや、形状は、以前は実用的な意味を持っていたが、現代ではあまり意味を持たないというものも多く存在します。
例えば、スーツと組み合わせて着るベストは、男性が大きく太ったお腹を隠すために使われていたものだったという事や、今では、カジュアルなスーツの裾仕上げの定番となったダブルも、もともとは雨が降った時に、裾が汚れないように折った事が始まりというようなものです。
タイピンも現代では、アクセサリーの要素が強く、結婚式など華やかなシーンで利用される事が多いですが、もともとは実用的な意味がありました。
現在、売られているネクタイには、小剣を大剣の裏に差し込み留めるための「ループ」が取り付けられています。
そのため、タイピンがなくてもネクタイが乱れにくいようになっています。
しかし、ネクタイが正装として利用されるようになったスーツ黎明期にはループはなく、タイピンで留める事が前提で作られていました。
このような歴史からタイピンが利用されるようになり、現在では本来の意味がなくなってしまったので、アクセサリーの一種として用いられるようなりました。
3.タイピンのつけ方
タイピンも、無造作に付けてしまうよりも正しい使用方法で着用した方が、当然美しく見えるものです。
タイピンをつける場所もある程度決められており、ジャケットを羽織る場合、ジャケットの第一ボタンの「やや上」につけるのが正しいつけ方です。
また、ジャケットを羽織らない場合はネクタイの下部で取り付ける事によってタイピンの本来の意味合いを生かし、さらに見た目も美しくする事ができます。
逆に、タイピンを使用しないシチュエーションもあります。
まずは、カーディガンや、セーターなどをシャツの上に着る場合は、通常タイピンはつけないのが一般的です。
理由としては、カーディガンなどがタイピンの役割を果たしているのにもかかわらず、さらにタイピンをつけるというのはミスマッチな事だからです。
また、葬式などの場面では基本的に「光物」はダメと言われていますので、タイピンは使用しない方が無難です。
ただし、光らない色のもの、真珠がついたものの利用は問題ないとされています。
これらの事はルールではありませんが、長い歴史の中で見た目や機能性を考慮して考えられた慣習ですので、実際に利用する場合は慣習に則って利用しましょう!
4.まとめ
今回は、スーツのワンランク上の着こなしである「タイピンの基礎知識」についてご紹介しました。
タイピンは、現代では「必ずなくてはならない物」ではありませんが、正しい知識を持って利用する事でスーツの着こなしをさらに美しく見せる事もできます。
今回ご紹介した知識を利用して正しくタイピンを活用しましょう!