1.革靴にお手入れが必要な理由


革靴というと丈夫そうに見えますし、そんなに手入れが必要ではないと感じる人もいるかもしれません。

ここでは、なぜ革靴に手入れが必要なのかノウハウとあわせて解説していきます。

1-1 革靴は繊細なお肌と同じ


革靴の繊細さを例えるとしたらそれは”お肌”に該当するといえるほど、とてもデリケートなものです。

湿度によって水分を吸収・発生させる性質があるため、革は呼吸していると言っても過言ではないのです。

お肌と同じで革靴の手入れもとても重要だといえます。

よく履く革靴ほど大切に手入れすることを心がけてください。

1-2 .革靴にとってクリームは美容液


レザー用クリーム

革靴にクリームを塗ることによって、革をより長く保湿させて保存状態を高めることができます。

乳化性クリームは靴にしなやかさを与え、シューポリッシュや油性クリームは光沢やツヤを出す特徴があります。

とっさの手入れには液状クリームが便利です。

お肌のスキンケアと同じように愛用している革靴にクリームを使いましょう。

大切なのは汚れを落として革に栄養を与えてあげることなのです。

2.革靴を磨くために必要な道具


革靴を磨く道具

必要な道具はそれほど多くはありません。
一度購入してしまえば何年間も利用できます。

革靴を綺麗にしてくれる道具はこちらの6つです。

・革クリーム
・シューキーパー(シューツリー)革靴の中に入れる木の型のようなもの
・汚れ落とし液
・布
・黒毛ブラシ(馬毛ブラシ)
・ペネトレイトブラシ(豚毛ブラシ)

2-1 クリームはモウブレイがおススメ




皮革製品用クリームは何十、何百と種類がありますが、多くの人に愛用されてるのは「M.モウブレイ」というメーカーの革クリームです。

欧州で生まれたゼリー状の皮革製品専用の栄養クリームで、塗った時の伸びもよく皮革製品にしっかりと浸透します。

皮革の潤いと柔軟性を保ち、ベタつかずに自然な仕上がりになります。

クリーム自体が無職なので、どんな色の皮革製品でも使用できるところが便利です。

革靴の手入れには塗布するものが何種類かありますが、皮革製品にはモウブレイの商品を使用するのが妥当だといえます。

3.革靴を磨く前に準備すること


革靴を手入れする前に何か必要なことはあるのでしょうか。

ここでは、その手順をご紹介します。

3-1 シューキーパーを靴の中に入れる




まずはシューキーパーを革靴の中に入れます。

革靴の内側とシューキーパーがしっかりタイトになると、革靴の型崩れ防止やシワを伸ばす効果もあります。

木でできたシューキーパーですが、ニスを塗っていないもののほうが湿気をよく吸収し気になる匂いもとってくれます。

また、何日か使わなくなった革靴の中に入れておけば型崩れや湿気を防いでくれます。

靴の中に奥までグッと入れて沈めこませます。

この時につま先側にしっかりと入り込むように、つま先を左右から少し軽く叩きます。

もう一度奥まで入れ込むと、つま先側のシワを軽減させることができます。

3-2 靴紐を外しておく


革靴のすみずみまで汚れを落とすために靴紐を外しておきます。

靴紐を外しておかないとアイレット(革紐を通す穴)付近の汚れがとれず、クリームも行き届かなくなることがあるので必ずほどいておきましょう。

4.革靴を磨く手順


革靴を手入れするにあたってポイントを詳しく見ていきましょう。

4-1 革靴をブラッシングする




まずは紐をはずしてシューキーパーを中に入れた革靴を馬毛のブラシで靴全体をブラッシングしてください。

ホコリや大きな汚れはこの作業時にすべて払っておきましょう。

コバ(靴と靴底を縫い合わせた部分)の周りや、アイレットまわりも丁寧にブラッシングします。

4-2 クリーナーで靴についた汚れを除去


クリーナー

ホコリを取り終えたら布クロス(使い古したTシャツの歯切れでも可)にクリーナーをなじませて、革靴の表面を円を描くようにして磨いていきます。

この時、指に直接布を巻き付けておくと細かい汚れも落とすことができて効果的です。

気になる部分の汚れを落としたら靴全体にクリーナーを塗り伸ばします。

この行程で古いワックス・クリームもあわせて落としていきます。

クリーニングが終わると使ったクロスは汚れがつき、汚れや古いワックス等が落とされた革靴は油分が落ちてパサパサした感じになります。

そうなれば汚れの除去作業は終了です。

4-3 クリームを塗る


黒い革靴は黒色のクリームを使用してください。

基本的にはどんな色の革靴でも無色のクリームを使用し塗り込んでいけば大丈夫です。





ペネトレイトブラシでクリームを少量とります。

ポイントは少量ずつ塗布することです。

一気に塗り込まないことが、革靴磨きの仕上げを綺麗にさせる成功のポイントとなります。

この時も円を描くようにムラが出ないイメージで塗っていきます。

コバなどは磨き忘れをすることがあるので要注意です。

全体的に均等になるように塗り残しがないか確認しながら塗っていきます。

細かい箇所はペネトレイトブラシがあれば隅々まで綺麗に塗ることができます。

塗り終えた状態になると、革が油分を含んでいるのでしっとりとした光沢が出てきます。

4-4 ブラシで余分なクリームを払う


ホコリを落とした時に使用したブラシでクリームを塗った革靴をブラッシングしていきます。

強く押し付けずに毛先を優しく、ソフトタッチを意識して素早くブラシを動かします。

ブラッシングしていると、だんだんきれいになっていくのがわかります。

全体的にむらなく磨き上げていきましょう。

5.革靴を磨くにあたってのポイント


ここでは、よりしっかりと革靴の手入れができるポイントを見ていきます。

実践する際の参考にしてみてください。

5-1 クリームは薄く塗る


早く靴磨きを終わらせてきれいな革靴が見たいという気持ちも理解できますが焦ってはいけません。

クリームは薄く塗り、磨いてみて足りないと思ったらまた少し足して磨くを繰り返すようにしてください。

無理に厚く塗ろうとしても、シミになって仕上がりのムラにつながってしまいますから注意しましょう。

5-2 同色のクリームを塗るべき


黒の革靴には黒のクリームを使用するようにしてください。

茶色に関しては色味もありますので、クリームを塗る前に革靴の色味をよく確認することが重要です。

5-3 靴磨きは力を入れる必要がない


靴磨きをする際に力は全くと言っていいほど必要ありません。

表面を優しく撫でるぐらいのイメージで革は輝きを増していきます。

強くこするとムラや傷をつけてしまう原因にもなるので、力は入れずにソフトタッチを意識して磨き上げてください。

5-4 エナメルの場合は専用クリームを使用する




エナメルの靴にはエナメル専用のクリームがあります。

必ず専用のクリームを使用するようにしてください。鏡面仕上げのようにきれいになります。

他素材用のクリームを使うとエナメル独特のツヤがなくなってしなう場合があります。

エナメルの靴に撥水スプレーを掛けると表面に膜ができてツヤがなくなってしまいますので注意してください。

5-5 パンプスも革靴と基本的に手入れは同じ



手入れの手順は基本的に革靴と同じです。

革靴の手入れができるようになればパンプスの手入れも容易にできるようになります。

6.自分の革靴をいつまでもきれいに


革靴のシューケアについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

焦らず力を入れずに行うのがポイントです。

また、雨の日に歩くと靴底の中央だけ水を吸ってしまったりもします。

ゴムに比べて通気性の良いのがソールのメリットですが、手入れ怠ることでその機能性も低くなってしまいます。

こちらも時間に余裕のある休日に実践してみると良いかもしれません。

革靴は手入れをするたびに愛着がどんどん湧いてくるアイテムです。

きれいにしておくことで、どんな場所にも気分よく出歩くことができます。

革靴を愛用している方は、普段の疲れをとってあげるように革靴に愛情を持ってケアしてあげてください。

きっとそれ以上の表情を革靴は見せてくれるはずです。